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広島酒造りトラストタイトル,酒おこしまちおこし研究会
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−今なぜトラストか?−
 清酒(以下「酒」と称する。)は、わが国で水田耕作が始まった紀元前4世紀頃から紀元5〜6世紀頃までに中国から伝わったとされる酒造技術が、独自の発達を遂げて、日本固有の酒となり、戦争・災害による食料不足や社会経済情勢の変化などの影響をうけながらも、他の固有の文化と深く関わり合いながら、力強く生きて国民に親しまれ今日に至っています。

 この酒造りは、農業と強く結びついて、地域の地場産業として冬季における雇用の創出や地域経済に貢献してきたが、工業化による農業システムの変化(兼業化など)、都市化の進展による中山間地域の過疎化などにより、所謂地酒造りを地道に努力している中小規模の酒造環境が圧迫されてきました。

 さらに、近年においては、酒類の多様化やビールなどのブランド戦略の影響によるシェアの減少、高齢化の進展等による後継者・雇用者不足の深刻化、大規模酒造への集中化・系列化などにより、廃業や大規模酒造への納入へ特化する酒造もめずらしくない状況となっています。

 一方、最近、経済優先社会から自然環境重視やこころの豊かさが重視される社会へとパラダイム変化が進むに伴って、消費者ニーズも量から質の高い付加価値を求めるようになり、多用な価値観・趣向を満足させる旨酒として地酒が見直されつつあります。

 しかしながら、全国的に有名になった酒はともかく、一般には自分たちが生活している地域の地酒を意外と見逃しているのが現状です。

 地酒は、その地域の自然的・社会的条件の中で育まれた文化的・産業的宝物であり、特色ある地域づくりの核となりうる力を内包しています。その力を発揮させるためには、特定の酒好家だけでなくその地域と周辺に生活する人々が地道に努力している地酒造りの存在を知り、その価値を正しく評価し、地酒造りを取り巻く課題の解決が必要です。

 そのためには、飲み手である消費者が、酒に対する思い(評価)を造り手である酒蔵にストレートに伝え、さらに、消費者および酒蔵は、旨い酒の原料である酒蔵好適米の評価を造り手である農家にストレートに伝える必要があります。

 また、逆に、造り手が消費者に評価してもらいたい内容について、直接的に訴える場も必要です。こうした場づくりを地域づくりの視点から捉え、消費者、農家、酒蔵の三者をネットワークし、三者による共同事業を通じて地酒づくりが地域造りの核として発展するような仕組みづくりが求められています。

 こうした要請に応える一つの形として、酒造りを通じて、それに関わる人々(消費者、酒蔵関係者、農業従事者)や地域(大都市、中都市、農山村)の交流を進め、都市と農山村の関係のあり方を模索し、相互理解と協調による地域づくりと余暇社会に対応した地域活動の一助となるような活動を展開したい。

 このような思いから、「幻の日本酒を飲む会広島」や「酒おこしまちおこし研究会」を運営しながら、トラスト構想を温めていたところ、幸いにも、国土庁地方振興局地方都市整備課長時代に「酒づくりを核として地域づくり」に取り組んだ経験のある山野宏氏が、広島市助役として赴任され、その翌年の平成5年の夏に氏によって引き金が引かれ、かくして、義務感や犠牲的精神からではなく、楽しみながら地域づくりや市民活動に役立とうとする「広島酒造りトラスト」が設立された次第です。

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