被爆時袋町小の6年生 半世紀遅れの修了式

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■西校舎の取り壊しの前に いやしの修了式

 原爆で学校が破壊され、卒業式ができなかった広島市中区の市立 袋町小学校(太平洋戦争中は袋町国民学校)の一九四〇(昭和十 五)年度の入学生たちが「在学したあかしに」と、五年生の修了式 を開く準備を進めている。かつて学んだ被爆建物の西校舎が取り壊 される前に、苦労を乗り越えてきた半生を語り合いたい、と同期生 を捜している。

 「袋町小15同期会」の世話人、中川太芽雄さん(66)=廿日市市峰 高一丁目=によると、同期生は約二百五十人とみられ、五クラスに 分かれていた。戦争の激化に伴い、五年生の途中から親類などへの 縁故疎開が始まった。六年生になった四月からは、三次市内四カ所 に集団疎開。広島残留組も二十人ほどいたが、消息はほとんど分か っていない。

 学校は爆心地の南東四百六十メートル。原爆投下で暮らしは一変 した。両親を失った人も少なくない。「幼い弟妹を抱え、小学生に して世帯主になった同級生が最も悲惨でした」と同じく世話人で、 西区の己斐駅で被爆した笠井恒男さん(66)=佐伯区五日市中央五丁 目。「苦しかった当時を思い出すから」とクラス会出席を固辞する 人も多い。

 同期生の一部は疎開先の小学校などで卒業証書をもらった。しか し、大半は手にしていないため、有志が集まるたびに話題になって いた。被爆者の消息を記した伝言が西校舎に残っているのが見つか ったうえ、市教委が西校舎を含む袋町小の改築を計画していること もあり、修了式開催の話が持ち上がった。修了証書の発行は既に、 中山龍興校長が了解している。

 九日に有志が広島市内に集まって、開催時期などを詰める。中川 さんは「みんな心に傷を負っている。式によって、少しでも心が和 めば」と話している。

 消息が分かっているのは、三分の一余りの九十一人。事務局担当 の笠井さんは「同期生や、同期生の消息に心当たりがある人はぜひ 連絡を」と呼び掛けている。連絡先は笠井さん、電話082(24 2)2842。

【写真説明】修了式を開こうと名簿の整理をする中川さん(右)ら袋町小の同期生たち

この記事は中国新聞(http://www.chugoku-np.co.jp/)より転載しています。