旧日銀広島支店を広島市へ無償貸与
'00/5/27
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広島市中心部の一等地にある被爆建物、旧日本銀行広島支店の処 分をめぐり、日本銀行は二十六日、政策委員会を開き、文化財指定 などの条件付きで、土地と建物とも広島市へ無償譲与する方針を決 めた。市は当面、市の重要文化財に指定して無償貸与を受けたうえ で、国の重要文化財指定を申請。国の指定を受けた段階で、無償譲 与となる。政策委で異論はなかった。
旧広島支店は、爆心地から東へ三百八十メートルの中区袋町にあ る。敷地は千五百五十四平方メートル。建物は鉄筋の地上五階(中 二階と塔屋を含む)、地下一階、延べ三千二百十四平方メートル で、一九三六年に建設された。古代ローマ・ギリシャ建築に範を求 めた古典様式で、渦巻状の柱頭をのせた角柱などが特徴。原爆の爆 風で屋根が破損し、三階が全焼したが、修復して戦後も日銀が使っ ていた。九二年に支店が中区基町へ移転し、その後は空き家になっ ている。
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これまで日銀は「時価売却が原則」と主張してきたが、市が今月 初め、まず無償貸与を受け、その後に無償譲与してもらう二段階と するプランを提示。併せて、広島市復興のために国や地方自治体の 関係諸機関ができる限りの援助をするよう義務付けた広島平和記念 都市建設法の適用を受ける考えも市が示した。
日銀側は「被爆建物は歴史的遺産」と判断。文化財指定を条件 に、広島市の提案を受け入れた。平和記念都市建設法の適用につい て、建設省は「日銀も国の関係諸機関に含まれる」との見解を示し ている。
市は、六月に市文化財審議会に重要文化財指定を諮問する方針。 答申後、七月に指定し、同月中に無償貸与を実現させる、としてい る。続いて、国の重文指定を申請し、国の重文になった段階で日銀 から無償譲与を受ける。
無償貸与期間中は、市が維持管理費を全額負担し、固定資産税と 都市計画税も免除する。
跡地の固定資産評価額は、バブル崩壊後の今でも土地建物合わせ て二十三億円。日銀が無償譲与を決めた背景には、支店が移転した 九二年度から八年間で固定資産税や維持管理費など合計二億七千万 円の支出を余儀なくされてきたという事情もあった。
旧日銀広島支店の活用策について、広島市は九七年三月、「外観 保存し、デザインセンターとして再利用する」との構想を打ち出し ているが、秋葉忠利市長は「今後、あらためて幅広い意見を聞き、 活用策を早急にまとめたい」と話している。
【写真説明】広島市への無償貸与の方針が決まった被爆建物の旧日本銀行広島支店(広島市中区袋町)
旧日銀広島支店跡地 有効活用迫られる広島市
'00/5/27
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爆心地近くの被爆建物として活用方法が長年、懸案になっていた 広島市中区袋町の旧日本銀行広島支店は二十六日、文化財指定と広 島平和記念都市建設法適用を条件に、市が日銀から土地と建物を無 償貸与・譲与される方向で決着した。今後は、広島市が平和のシン ボルとして、土地と建物を具体的にどのように生かすかに焦点が移 る。
「被爆建物の歴史的意味が生かせるよう幅広く市民や関係者の声 を聞いて有効な活用策をまとめたい」。日銀の発表を受け、市役所 で記者会見した秋葉忠利市長は今後の方針を述べた。
この日午前、広島県原爆被爆教職員の会(石田明会長)から「日 銀跡地を原爆文学館として活用を」と要請を受けたことについて、 市長は「趣旨としては納得できる、と答えた」と明らかにした。し かし、「今後の活用方法と短絡的に結び付けないでほしい」と取材 陣に求めた。
石田会長は「市が日銀跡地を利用できるのは素晴らしい。原爆文 学館実現へ働きかけを強めたい」と話している。
日銀跡地をめぐっては、市民団体などから保存を求める声が強か った。一九九六年に日銀が市への売却方針を表明したのを受け、市 は経済界代表や学識経験者などで跡地利用構想検討委員会を設置。 委員会は旧支店の新館跡地に高層オフィスビルを建設、被爆建物の 旧館は保存し、デザインの発表や展示をする施設の構想を九七年に 打ち出した。
ただ、市が財政難で購入できない中、新館部分は昨年九月、民間 企業に売却された。既に分譲マンションが建設中で、「新館跡地と 一体活用ができない以上、委員会構想の実現は事実上、困難」との 見方が庁内外にある。
秋葉市長は「平和記念都市建設法の趣旨や、今後指定を受ける市 重文にふさわしい使い方が求められる」と述べた。また、具体的な 時期について「本年度と来年度に位置付けているミレニアム事業の 中に組み込みたい」と話している。
【写真説明】日銀の発表を受けた記者会見で「市民から幅広く意見を募り、活用策を決めたい」と語る秋葉市長(広島市役所)
この記事は中国新聞(http://www.chugoku-np.co.jp/)より転載しています。