被爆伝言 新たに4人確認/広島・袋町小学校
'00/6/23
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解体予定の広島市立袋町小学校(中区)西校舎一階南側の旧児童館黒板裏で見つかった、被爆直後に書かれたとみられる「伝言」について市は二十二日、判読調査の結果を発表した。人名は新たに四人が確認された。市は書かれた日付や関係者の証言などから「被爆直後の可能性が高いものも含まれる」としているが、現状保存については消極的な姿勢を変えていない。
新たに確認されたのは河本房子、田中鈴江、中田〓美子、野村清の四人。東海大情報技術センター(東京)所長の坂田俊文教授らの調査報告を受けた市教委が、追跡調査を実施。本人や兄弟、親せきの証言を得て、実在していたことを確認した。既に肉眼で分かっていた二人の人名についても確認を済ませており、黒板裏で確認されたのは計六人となった。
今回の調査では、四人の名前のほかにも「多山本店」「佐武醫院」や「右者御存知ノ方ハ左記ニ御知セアリタシ」「右ノモノ御存知ノ方ハお知らせ下さい」などと消息を尋ねたとみられる文章も確認された。
市教委は、黒板裏から人名や地名など百四十四文字を確認していた。肉眼では分からない文字は、赤外線カメラやハイビジョンで撮影した資料をもとに専門家による判読調査を五月から計二回開き、五十四文字を新たに読み取った。
市教委は、旧児童館の一帯は、解体する方針を既に決めている。現状での保存予定は「歴史展示室」となる一階北側階段周辺と地下室だけ。階段周辺では「寮内」や、地名の「新川」など計八文字が被爆直後の伝言と確認されている。
これまで広島市には、袋町小卒業生や市民団体などが黒板裏の「伝言」について現状で保存するよう改築計画の見直しを求めている。
しかし秋葉忠利市長はこの日の記者会見で「被爆直後の広島には、メッセージと同じように家族や知人を探した何十万人の市民がいたことを受けとめ、未来に生かしていきたい」と、「伝言」の意義を認める一方で「このままの状態での保存は技術的にも困難」と難色を示した。
≪注≫〓は七が三つ。「喜」の異字。JISコードにないため表示できません。
この記事は中国新聞(http://www.chugoku-np.co.jp/)より転載しています。