広島市袋町小の被爆「伝言」 切り取り保存へ

'00/7/13

 原爆が広島市に投下された直後に行方不明者の消息などを記した「伝言」が見つかった中区の市立袋町小学校西校舎について、広島市は十二日、伝言部分のコンクリート壁を切り取って保存する方針を固めた。袋町小は市が解体を計画。保存方法を再検討していた。

 伝言は、解体を予定している一階南側の元児童館黒板裏に残っていた。市の方針では、六人の氏名など多数の文字が確認された黒板裏の壁を、横四メートル、縦一・五メートルの範囲で切り取る。チョーク文字の劣化が予想されるため、表面の加工方法について今後、奈良国立文化財研究所(奈良市)などと検討する。

 現在はチョークがうっすら残っている状態で、調査過程でハイビジョン撮影によるビデオ映像に記録している。

 切り取った壁の展示スペースを確保するため、市は被爆校舎の保存区域を見直す。当初から「歴史展示室」として保存を決めている西校舎北側の一階階段周りと地下室の保存区域(延べ約百八十平方メートル)に、隣接する一階図書室の一部約四十平方メートルを加える考えだ。

 市教委は昨春、西校舎解体を控えた調査で、保存区域の漆喰(しっくい)壁の下に伝言が残っているのを発見。校舎の全体調査を進め、今年六月までに、保存区域外にも伝言があるのを確認した。文字の判読を進めるとともに、市内部組織の被爆建物等保存・継承検討会議(五人)が保存のあり方を再検討していた。

 市は、袋町小を複合施設として、二〇〇二年二月までに改築を終える予定。西校舎は四月に取り壊す計画だったが、保存の再検討のため解体を遅らせている。

この記事は中国新聞(http://www.chugoku-np.co.jp/)より転載しています。