袋町小の被爆伝言、解体前に公開

'00/7/23

 原爆投下直後に被災者が壁に書いた「伝言」が残る広島市中区の市立袋町小学校西校舎で二十二日、西校舎解体と壁の一部保存工事を前に、市民への一般公開があった。訪れた人たちは、五十五年の時を超え、被爆の実態を伝える資料の重みをかみしめていた。

 

午前中は、西校舎の全面保存を求める原爆遺跡保存運動懇話会(後藤陽一座長)のメンバーが案内役を務め、約二十人が内装が既に取り外された西校舎に入った。取り壊される一階南側の旧児童館で、教室の黒板裏の壁に残る家族や知人あてに書いたとみられる文章や、中央の柱に「患者・村上」の文字が見つかった一階の旧図書館を見学。両親と妹が救護所となった袋町小で過ごしたという、安佐南区八木六丁目の美容師村上啓子さん(63)が「『患者』の文字からも、ここが原爆で傷ついた人たちを治療した事実を伝えている。被爆者の命を支えた校舎はこのまま保存すべきだ」と熱っぽく訴えた。

 現状保存する北側階段の前では、被爆二カ月後に撮影された記録写真と見比べながら、伝言の文字を確かめた。安佐北区落合南四丁目から参加した主婦為広ゆう子さん(49)は「解体される前の様子を多くの人ができるだけ見られるよう、八月六日前後にも公開の機会をもうけてほしい」と話していた。

 一般公開は引き続き二十三日も午前九時から午後五時まで行われる。

【写真説明】一般公開された袋町小西校舎の旧図書室で、村上さん(手前)から話を聞く参加者たち

この記事は中国新聞(http://www.chugoku-np.co.jp/)より転載しています。