広島・袋町小の「被爆伝言」壁切り取り公開へ
'00/8/27
老朽化したため広島市が解体している被爆建物の市立袋町小学校西校舎(中区)で二十六日、原爆投下直後に被災者の消息などを記した「伝言」の残るコンクリート壁の切り取り作業が始まった。二十八日までに搬出を終える。被爆校舎の一部を保存し「歴史展示室」をつくることになっており、この壁も展示して公開する。
切り取りが始まったのは、鉄筋三階建ての西校舎一階の旧児童館の壁(縦一・六メートル、横四・一メートル、厚さ十九センチ)。解体を控えて行った調査で、黒板裏の壁面にチョークで文字が書いてあるのが見つかり、判読の結果、六人の名前が確認された。「右ノモノ御存知ノ方ハお知らせ下さい」という書き付けもある。校舎は当時、被災者の救護所として使われていた。
作業に先立ち、文字が消えないようにアクリル樹脂で文字をコーティングし、全体をビニールで覆った。破損防止のためにスチール製フレームで全体を三分割し、一片ずつ取り出す方法を採用。総重量約三・五トンの壁の裏側から、コンクリートカッター(直径約九十センチ)で慎重に切り抜いた。
作業を指揮した共同企業体(JV)現地事務所の尾野本悟所長 (50)は「思ったほど劣化も進んでおらず、予定通り切り取れそうだ」と話していた。
袋町小は、生涯学習の拠点や児童館などとの複合施設として改築し、二〇〇二年二月に完成する予定。歴史展示室は、別の被爆伝言が残っている一階階段周りなど約二百三十平方メートルを部分保存して設置する。
【写真説明】被爆伝言が残っているコンクリート壁を切り取る作業員(広島市中区の袋町小)
この記事は中国新聞(http://www.chugoku-np.co.jp/)より転載しています。