袋町小の被爆校舎 1月全面調査/広島市教委
'99/11/23
被爆直後の伝言の一部が漆喰(しっくい)の下から見つかった袋町小学校(広島市中区)西校舎の保存問題で、広島市教委は来年一月から全面調査に乗り出す。市教委は同小の全面改築を計画中で、保存する部分以外から新たな伝言が出てきた場合、切り取って別途保存する方針という。
被爆建物の西校舎では、今年三月、一階の階段壁面から文部省学術調査団の写真(一九四五年十月撮影)にある伝言の一部の「寮内」の文字が見つかった。市教委は地下室から二階までの階段周りは、この伝言を含めて、歴史展示室として保存するが、取り壊す予定の他の場所にも伝言の残っている可能性があり、西校舎全域の調査を行う。
市教委は、広島大文学部の三浦正幸教授(文化財学)の協力で八月、西校舎の壁すべてで予備的に打音検査を実施。被爆時の壁に漆喰が上塗りしてあり、はがして伝言の有無を確認できる個所を特定した。
来年の全面調査の手法について、三浦教授は「伝言は、腰の高さから手の届く範囲にある可能性が高く、漆喰を十センチ幅程度で帯状にはぎ取っていけばよいと思う」と話している。市教委は取り壊す部分を中心に二月上旬までに調査を終え、「新たな伝言が出てきた場合、切り取って歴史展示室に保存するか、中区の原爆資料館に寄贈する」(施設課)という。
市教委は、袋町小を市民交流施設との複合施設として二〇〇二年二月末までに改築し、西校舎は来年四月から取り壊す予定。卒業生有志などが、数少ない原爆遺跡として、西校舎の全面保存を求める署名運動に取り組んでいる。
【写真説明】被爆直後の伝言が残っているかどうか、広島市教委が全面調査する袋町小の西校舎
この記事は中国新聞(http://www.chugoku-np.co.jp/)より転載しています。