袋町小卒生が被爆校舎の保存求め、市に署名提出

'99/12/2

 全面改築が計画されている広島市中区の市立袋町小学校の卒業生有志六人が一日、市役所を訪れ、被爆建物である西校舎(三階建て)の全面保存を求める八百四十一人分の署名を提出した。

 署名を集めたのは、一九六一年三月卒業の同期会メンバー。幹事十八人が連絡先の分かる同期約三百八十人に呼び掛け、七月中旬から家族や同僚、知人も含めて、秋葉忠利市長あての署名を集めた。

 市役所では、代表幹事の会社員石橋政道さん(50)=安佐北区安佐町久地=が市教委施設課の津川勝之建設担当課長に署名を渡した。

 津川課長は「校舎全体が老朽化しており、改築は必要」と説明した。石橋さんは「市には、被爆建物を今の形で後世に残す責任がある。歴史の継承のためにも考え直してほしい」と要望。他のメンバーも「全面保存してこそ意味がある」などと再考を求めた。

 西校舎では今年三月、一階の階段壁面から、原爆投下後に被爆者の消息などを記した伝言の一部が見つかった。市教委は、市民交流施設などを含んだ複合施設として袋町小の改築を計画。西校舎は来年四月から取り壊す予定で、伝言が見つかった階段周りや地下室など一部だけを保存し、公開する方針である。

 また、市教委は来年一月から西校舎を全面調査し、保存部分以外から伝言が出た場合は、切り取って保存することにしている。

 西校舎については、原爆遺跡保存運動懇話会(座長・後藤陽一広島大名誉教授)も四月に「一階階段周りなどだけでは、保存面積が狭い」として、十分な調査と保存を秋葉市長に要望している。

この記事は中国新聞(http://www.chugoku-np.co.jp/)より転載しています。